Case Study

DYNATREKの活用により本社と全営業所が活用する情報共有基盤を構築交渉・調査業務の能率分析などPDCAサイクルの高度化を通して、更なる効率化を推進
代表取締役社長 和田 秀俊 氏(右)、 企画部 情報システムグループ長 布施 功 氏(左)
事例概要
中部電力グループの中電配電サポート株式会社(以下、中電配電サポート)は2014年3月、DYNATREKを情報分析のフロントエンドとする情報共有基盤を稼働させた。現在は、本社の経営層、支社の意思決定層、および営業所長がDYNATREKから必要な情報をすばやく取り出して活用し、業務改善に取り組んでいる。今後は、DYNATREKによるデータ分析の結果を最適な意思決定に結びつけ、コスト削減と生産性向上の両面で成果を上げていく。

001

システム導入の背景

業務環境の変化に追従できる
情報共有基盤が必要に

中電配電サポートは、中部電力グループの一員として配電の業務を中部電力より受託しており、電線に接近する樹木の伐採について所有者の承諾を得る保安伐採交渉、電柱の建設について地権者の承諾を得る用地交渉、配電経路の新設に伴う設計、定期巡視、敷地管理などを行っている。同社は2009年7月より、配電に関連する各種業務を管理する仕組みとして配電管理システムを運用してきた。同社、企画部情報システムグループ長布施功氏は、「従来の配電管理システムは細かな要求に対応するため一から作りこみで開発されており、システム変更に多大な労力が必要なことから、業務ニーズ変更に追従することができていませんでした。そのため、データの分析は営業所から集約したExcelで行っており、タイムリーなものではありませんでした」と語る。

実際、伐採交渉にあたる各営業所の従業員は、発注元からの作業指示書をいつ受け取り、いつ、だれに渡したかという情報や、交渉情報をExcelで個別に管理してきた。しかし、属人的な情報管理には限界がある。本社の経営層、および35カ所の営業所を管轄する6支社の意思決定層は、必要なタイミングで必要な情報をつかむために、都度現場と連絡を取り合いながら、自ら情報を集める必要があったのだ。布施氏は、「各営業所では一定時間内にこなした業務量、つまり能率を測定・管理していますが、こうした情報を経営判断の指標として利用できるまでに多くの時間がかかっていました。案件の進捗を瞬時に把握し、業務量に対して人員が不足している営業所への適切な応援態勢を計画することが求められていました」と話す。こうした課題を解決するため、同社は外的および内的な環境変化に柔軟に対応できる情報共有基盤が不可欠と判断。OS変更による再開発を機に新システムへの切り替えを目指すプロジェクトを立ち上げた。

002

ソリューションの適用

要件のズレを解消しながら
短期間で開発

このプロジェクトでは、限られた導入期間やコストでプログラミングを行わずに必要なデータを取り出せること、高度な分析を実行できること、PC操作に不慣れでも利用しやすいことなどを要件とした。布施氏は、「いくつかの製品が候補に上がったのですが、実際に話を聞いてみると、多くがセキュリティに弱点を抱えていることがわかりました。

DYNATREKはアクセス管理やログ管理、システム認証など、監査に耐えられるセキュリティをしっかりと製品設計に組み込んでいます。さらに細かなことをヒアリングしてみると、こちらが心配していることをすべてクリアできると言ってくれたのも心強く感じました。」と語る。約半年の開発では、データ入力を受け持つパッケージ製品「ADMi-21」とDYNATREKのシームレスな連携を実現し、これまでに扱ってきた資料を問題なく作成することができた。

布施氏は「これまでに経験したことのないスピードで開発を完了させることができました。開発着手時と開発過程で生じた要件のズレを解消しながら開発できたのがプロジェクト成功のポイントです」と語る。

同社は、伐採交渉における過去1年分の実績データ、作業指示書に関連するデータなどを新情報共有基盤に投入し、開発作業を完了。2014年1月の時点で先行して利用環境を公開し、主体的にユーザーと共に検証を行いながらカットオーバーをすることで、利用開始当初からユーザーがシステムを活用できるよう準備を行った。

003

ソリューションから得た価値

適切な指示出しで
交渉業務の更なる効率化を推進

中電配電サポートは2014年3月、DYNATREKを中核とする情報共有基盤を本稼働させた。現在は、本社の経営層、支社の意思決定層、および営業所長がDYNATREKを直感的に操作して必要な情報を共有している。たとえば、目標値に対する進捗や、昨年同月との比較により、その進捗度合いが適正かどうかを判断している。DYNATREKには日々、樹木の伐採に関連する中部電力からの作業指示書を、「いつ」受け取り、「どの」タイミングで、「だれ」に渡したか、という情報に加え、必要な交渉情報が蓄積されている。担当者の進捗や能率、作業指示書保有量を素早く明確にし、業務支援、業務指示することができるようになった。たとえば、営業所長は実績から難航が予想される案件について早い段階で交渉術に長けたベテランを割り当てるなど、人員配置を最適化できるようになったのは大きな成果だ。

また、事前の計画と実際に発生した出来高とを比較し、計画と乖離した場合に、「なぜ」を掘り下げられる仕組みが出来たことで、その原因を発注者からの作業指示書の精度等の「外部要因」と、自社の作業工程等の「内部要因」に切り分けられることとなった。このため、ある案件で発生した課題の根本的な原因を探り、その課題に対する打ち手を的確に検討することができるようになるとともに、現場(営業所)と本社で課題を共有することができ、スピーディーな対応が可能となった。コストダウンと生産性の向上の両面で成果が顕著に見え始めるのは、データ活用・分析を本格化するこれからだ。同社は開発段階で、定型の検索処理を瞬時に実行するためのテンプレートをある程度登録していたが、最近は、ユーザーが独自に作成したものも利用登録され始めている。全ユーザーが共有テンプレートを利用し、データ分析の結果をもとに意思決定できる体制になる日も近い。布施氏は、「経営の健全性を測る指標として、営業所、および従業員ごとの実績や能率を分析します。この結果をもとに、能率の高い営業所の業務プロセス、交渉スキルの高い従業員の行動パターンを特定・共有できれば、各営業所がコストを抑制しながら生産性を高めるオペレーションを遂行でき、さらなる能率向上を達成するヒントを得られるはずです」と語る。中電配電サポートでは、DYNATREKを活用して人事・給与・会計・勤怠のデータも扱える環境にあり、すでにDYNATREKを中心とした管理会計の仕組みも構築済みだ。布施氏は、「営業所の部門別の収支や、ABC(Activity Based Costing:活動基準原価計算)による能率の把握を通じて、各事業所のコスト意識を高め、さらなる経営体質の改善を目指します」と話している。

企業情報
中電配電サポート株式会社は、中部電力から委託される配電線路の保安伐採交渉、用地交渉、定期巡視、敷地管理、線路設計などの事業を柱にビジネスを展開する。このほか、建材・土木資機材の販売事業、および不動産の賃貸事業も手掛ける。

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