Case Study

DYNATREKを中核としたデータ活用プラットフォームを全営業店に展開し、約3,800人の行員の情報活用を推進
常陽銀行 営業統括部 統括グループ 主任調査役 田中 正樹氏(左)、常陽銀行 営業統括部 統括グループ 調査役 神谷 和洋氏(右)
事例概要
株式会社常陽銀行(以下、常陽銀行)は2014年2月からDYNATREK活用の第2フェーズをスタートし、前々年より導入していたDYNATREKの活用範囲をさらに拡大した。

2012年3月からの第1フェーズでは、DYNATREKを用いてMCIF、CRM、収益管理の3つのシステムを横断し自在に検索できる環境を構築。新たに、2014年2月からの第2フェーズでは、第1フェーズでの利用業務・利用者層に加えて、各営業店の窓口業務/渉外担当者が業務に必要な情報へアクセスできるデータ活用プラットフォームを整備した。

001

システム導入の背景

DYNATREKの導入後の
本部内でのデータ活用推進と、
その先にあった
全営業店展開への構想

常陽銀行ではDYNATREKを活用し、CRM、MCIF、収益管理、融資支援システムを自在に検索できる環境を運用している。

同行営業統括部統括グループ調査役神谷和洋氏は、「当行ではDYNATREKを用いて各システムへ接続し、日々の業務に役立つ知見や洞察を得ています。経営陣の要望に合わせた分析レポートを作成する手間も大幅に軽減しました」と語る。このように同行では複数のシステムをまたぐ横断的な情報活用を本部内で進めてきた。

また、同行では2008年よりCRMを運用しており、各営業店の窓口担当/渉外担当者は日々、CRMにアクセスして顧客、案件、交渉履歴、商談などの情報を入力/閲覧しながら業務を行っている。従来より、様々なシステムからデータを集めて営業店ユーザに帳票として還元しているが、帳票の開発のためには、データ収集や帳票開発のためのプログラミング作業など、開発コストや手間が発生していた。

同行営業統括部統括グループ主任調査役田中正樹氏は、「組織全体の基本戦略が変われば、各営業店が必要とする情報も変わります。また、各営業店の管理職は、本部の経営層やマネジメント層から配信される情報をもとに自店の活動状況、案件の進捗状況を把握し、各行員へ適切な指示を出します。従来はこうした情報が各営業店に共有され、意思決定に利用できるようになるまでに、日数を要していました」と話す。

この課題を解決するために、全営業店・本部行員が活用する情報系のデータ活用プラットフォームにDYNATREKを利用することに決まった。

002

ソリューションの適用

DYNATREKで、
全営業店の「営業活動のPDCAに必要な情報」を、
システムの別け隔てなく
自動的に取得できる仕組みを構築

当プロジェクトでは、CRMの刷新のタイミングで、営業行員が利用するポータル画面から、本部が作成するDYNATREKの検索テンプレートにアクセスできる仕組みを構築することになった。

神谷氏は、「各営業店では、預かり資産、個人融資、法人融資、住宅ローンなど、商品・サービスにもとづく事業分野ごとに切り分けられた営業体制をとっており、それぞれの担当者により必要な情報は異なります。ポータル画面に常に表示されているDYNATREKへのリンクをクリックすれば、窓口担当/渉外担当者が個別のシステムにアクセスしなくても、本部から配信されるタイムリーな情報を得ることができます。また、この仕組みの重要なポイントは『柔軟性』であるため、新たな検索テンプレートの追加は原則として営業統括部を中心とした本部ユーザ部門で行うことができることも重要なポイントです」と語る。

2014年2月、DYNATREKを中核とする情報系のデータ活用プラットフォームが稼働した。現在、各営業店の窓口担当/渉外担当者、本部スタッフを含めた約3,800人の行員は、DYNATREKで顧客、案件、交渉履歴、商談など、それぞれの担当業務に応じて必要な情報を確認しながら業務を進められるようになった。

003

ソリューションから得た価値

DYNATREKの
検索テンプレートで
効率的な営業を支援

営業統括部は、各営業店の全行員に複数の検索テンプレートを提供している。たとえば、各営業店の貸出金の残高は、地域や考課グループ(エリア特性の類似した支店・営業所ごとのグループ)などの切り口で検索できる。掘り下げて明細情報をたどれば、個人/法人別の貸出金額を確認することも可能だ。

また、法人取引先の融資額のシェアを地域や顧客属性別に集計することが可能となった。これをDYNATREKの画面上でクリックし深掘りすると、外部データを付属情報として閲覧できるため、重点的にアプローチすべきターゲットを容易に抽出できる。これにより、推進ターゲットを明確にした効率的な営業活動が可能となる。

また、各営業店では日次で住宅ローンの獲得実績を参照でき、また住宅ローン案件の進捗状況も一覧化し確認することができる。事前相談・正式申し込み、契約までの商談進捗区分別の販売額をグラフ形式で一覧表示できるため、各営業店の管理者層は、目標値に対する実績を見ながら行員に適切な指示を出せる。

神谷氏は、「取引先の保有資産構成状況を見られる帳票も提供しています。預貯金、株式、債券、投資信託などで構成されるポートフォリオを随時確認し、顧客が目標とするリターンと、それに見合うリスクとのバランスを取る提案を行うことに役立てることが可能です」と話す。

このほか、預かり資産の残高によって顧客をセグメント化し、さらに総預かり資産に占める定期預金の割合でグループを細分化する検索テンプレートも用意。マーケティング担当者が緻密な顧客グループごとに適切な活動を展開できるようにした。

DYNATREKを軸とするデータ活用プラットフォームの活用が本格化するのはこれからだ。同行では定期的に、ユーザからの要望をDYNATREKの検索テンプレートに反映していく予定だ。田中氏は、「顧客の取引行動上の変化をニーズの発生ととらえ、これをもとに顧客ごとに適切な提案を行うための検索テンプレートも拡充していきます。情報活用をより一層加速することで、当行の営業効率をさらに高めていきます」と語っている。

企業情報
常陽銀行は、茨城県、千葉県、福島県、栃木県、埼玉県などを主要な営業地域とする地方銀行だ。預金残高7兆4,909億円、貸出金残高5兆3,993億円は、地方銀行の中では有数の規模を誇る(平成26年3月期)。2014年からの第12次中期経営計画では、「協創力の発揮」「顧客基盤の拡充」「市場運用力の強化」「現場力の革新」「人材ポートフォリオの再構築」の5つの基本戦略をもとに地域経済の成長・活性化に貢献し、「地域の未来を協創するベストパートナーバンク」になることを目指している。

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